けんじ編集局|編集メモ後半戦 No.001「家事ができる人」と「家事代行のプロ」は、同じなのか?

昨日、2026年9月20日。

おりとなおこの家事代行養成塾 第0期が始まりました。

ということで今日から、家事代行けんじ編集部もリリース後編です。

これまでの記事では、家事代行業界の制度や国家資格の動きを追いかけながら、

「これから家事代行という仕事は、どう変わっていくのか?」

という話をしてきました。

そして今日は、

「家事代行の専門性って、いったい何なんだろう?」

という話です。

先日もお伝えした通りですが、

家事代行業界で、とても興味深い取り組みが行われました。

「家事代行選手権」が開催された

2026年9月12日。

株式会社ベアーズが、全国のスタッフを対象にした第1回「家事代行選手権」を開催しました。

全国13エリアから70名がエントリー。

その中から8名がファイナリストとして決勝に進みました。

そして競われたのは、単純な「掃除の速さ」だけではありません。

第一印象。

お客様の要望をくみ取る力。

接遇。

心遣い。

そして、

想定外の出来事への判断力。

こうしたものまで含めて、「お客様のご自宅で安心を生み出すための総合力」が評価されたそうです。

これ。

かなり面白いと思いませんか?

家事代行は「家事が上手い人」の仕事なのか?

たとえば、

掃除が得意。

料理が得意。

洗濯が好き。

整理整頓が好き。

家族のために、ずっと家事をやってきた。

こういう経験は、もちろん家事代行の仕事において大きな武器になります。

でも、

「家事ができる」=「家事代行の仕事ができる」

ではありません。

ここは、けんじ編集局としても、かなり大切なところだと思っています。

なぜなら家事代行では、

「自分の家」ではない場所で仕事をするからです。

ここが、家庭の家事とは大きく違います。

自分の家なら、好きにできる

自宅だったら、

「今日はここまででいいかな」

で終わらせることもできます。

洗剤も、自分がいつも使っているものを使えます。

物の置き場所も、自分の好きなように決められます。

掃除の順番も自由です。

多少時間がかかっても、

「まあ、明日やればいいか」

で済むかもしれません。

ところが、お客様のお宅では違います。

「これはどこに置きますか?」

「この洗剤を使って大丈夫ですか?」

「ここは触っていい場所ですか?」

「予定していた作業が時間内に終わりそうにない」

「お客様から追加でお願いされた」

「想定していなかった汚れが見つかった」

こういうことが、実際の現場では起こります。

そこで、

どう判断するのか。

これが仕事になります。

「見えない専門性」というもの

ベアーズは今回の選手権について、家事代行には掃除や料理の技術だけでなく、

「お客様の要望を正確に理解するヒアリング力」

「言葉や表情から思いを汲み取る力」

「暮らしやその場の状況に応じた判断力」

「心遣い」

など、幅広い専門性が求められると説明しています。

これって、

一見すると「当たり前のこと」に見えるんですよね。

でも、

当たり前のことを、毎回、安定してできる。

これが仕事になると、とても重要になります。

たとえば、

「お客様の話をちゃんと聞く」

だけでも、

何を聞くのか。

どこまで確認するのか。

何を記録するのか。

何を確認してから作業を始めるのか。

というところまで考えると、実はかなり奥が深い。

国家資格の話ともつながってくる

ここで、以前から追いかけている「家事支援サービスの国家資格」の話にもつながります。

政府は、家事支援サービスに従事する人の技能を評価する仕組みとして、技能検定の創設を進めており、2027年秋ごろの第1回試験を目指す方向が示されています。

厚生労働省によると、現在の技能検定は、働くうえで必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度です。

実技試験と学科試験によって技能を評価する職種もあります。

つまり、家事支援サービスについても、

「プロとして必要な技能って、何なんだろう?」

ということを整理していく必要があります。

掃除なのか。

料理なのか。

洗濯なのか。

整理収納なのか。

もちろん、それだけではありません。

今回の家事代行選手権で評価されたような、

「人の家に入り、人の暮らしを支えるための判断や接遇」

も、その一部になっていく可能性があります。

ただし、現時点では家事支援サービスの具体的な検定内容や等級などがすべて確定しているわけではありません。

なので、家事代行AI編集部としては、

「これが国家資格の内容になる!」

と決めつけることはしません。

決まったことは伝える。

決まっていないことは、

「まだ決まっていません」

と伝える。

このスタンスで追いかけます。

そして、第0期が始まった

だからこそ、昨日始まった家事代行養成塾 第0期でも、

「掃除のやり方を教えれば終わり」

にはしたくありません。

むしろ、

「家事代行という仕事について、一緒に考える」

ことが大切なんじゃないかと思っています。

お客様だったら、何をしてほしいのか。

自分がスタッフだったら、どう判断するのか。

この場面では何を確認するのか。

これはやっていいのか。

これは確認したほうがいいのか。

もし予定外のことが起きたらどうするのか。

そういうことを、

「自分だったらどうする?」

と考えてみる。

家事代行は「家事の代行」だけではない

名前だけを見ると、

「家事を代わりにやる仕事」

です。

もちろん、それは間違っていません。

でも、実際に人の家に入って仕事をしてみると、

そこには、

暮らしがあります。

家族があります。

価値観があります。

大切にしているものがあります。

生活リズムがあります。

そして、

「この人に任せて大丈夫かな?」

という、お客様側の気持ちもあります。

だからこそ、

家事の技術+人との仕事

として考える必要がある。

今回の家事代行選手権は、そのことを改めて見せてくれる取り組みだったのではないでしょうか。

「見えない仕事」を言葉にしていく

家事代行の仕事って、外から見ると、

「掃除してくれる人」

「料理を作ってくれる人」

に見えるかもしれません。

でも、その裏側には、

観察する。

聞く。

確認する。

判断する。

組み立てる。

対応する。

気づく。

そして、

安心してもらう。

という仕事があります。

これらは、目に見えにくい。

だからこそ、

言葉にしていくことが大切なんだと思います。

国家資格の議論も、その一つ。

家事代行選手権のような取り組みも、その一つ。

そして、

家事代行養成塾 第0期も、その一つ。

「家事代行という仕事には、こんな専門性があります」

ということを、少しずつ社会に伝えていく。

第0期も、ここから編集されていく

そして面白いのは、

昨日始まった第0期そのものも、

まだ完成形ではないということです。

実際に受講生と話す。

質問を受ける。

一緒に考える。

「あ、ここはもっと説明したほうがいいな」

と気づく。

だったら、次の講座に反映する。

そんなふうに、

講座そのものも編集されていく。

これは第0期だからこそできることです。

そして、その過程で出てきた気づきは、

ブログになるかもしれない。

動画になるかもしれない。

チェックリストになるかもしれない。

次の受講生の教材になるかもしれない。

つまり、

現場で起きたことが、次の「学び」に変わっていく。

これが、家事代行AI編集部がやっていきたいことでもあります。

家事代行の「プロ」とは何なのか?

まだ、答えを一つに決める必要はないと思います。

掃除が上手い人。

料理が上手い人。

段取りが上手い人。

コミュニケーションが上手い人。

判断が早い人。

お客様の気持ちをくみ取れる人。

いろいろな「プロ」がいるでしょう。

だからこそ、

「プロの家事代行とは何なのか?」

を、これからみんなで考えていけばいい。

国も制度を作っている。

業界も人材育成に取り組んでいる。

現場で働く人たちも、日々経験を積んでいる。

そして、

今日から家事代行を学び始める人もいる。

2026年9月21日。

第0期は、昨日始まったばかりです。

ここから、どんな発見があるのか。

どんな質問が出てくるのか。

どんな「見えない専門性」が見えてくるのか。

家事代行AI編集部も、

現場を見ながら、ひとつずつ編集していきます。

家事代行は、

「家事ができればいい仕事」

なのか。

それとも、

「人の暮らしを支える専門職」

なのか。

その答えも、これから少しずつ見えてくるのかもしれません。

そして今日もまた、

家事代行という仕事について、ひとつ考えてみます。

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